SOL.NET TOP > SOL INTERVIEW > NO.020 上田壮一 氏
バックナンバー
  • greenz.jp
  • 脇坂真吏氏
  • 池本修悟氏
  • 上田壮一氏
  • 日谷潔氏
  • 内田雄司氏
  • 高橋がなり氏
  • 池田正昭氏
  • 松岡一久氏
  • 重永忠氏
  • 駒崎弘樹氏
  • 寺井元一氏
  • 新樂智夫氏
  • 佐藤岳利氏
  • 斉藤あや子氏
  • 出雲充氏
  • 嵯峨生馬氏
  • 下元敬道氏
  • 土屋有氏
  • 上田祐司氏
  • 関根健次氏
  • 長谷部健氏
  • 川田利典氏
  • 末原弘喜
上田壮一氏
『深化』する日本のソーシャルプランナー

Think the Earth プロジェクト プロデューサー

株式会社スペースポート 取締役社長 上田 壮一 氏

1965年、兵庫県生まれ。東京大学大学院修士課程修了後、株式会社電通に入社。

テレビ番組「宇宙からの贈りもの~ボイジャー航海者たち」などを企画。

1996年、フリーランスのプランナー/ディレクターとして独立。

インターネット・ワールドエキスポ'96の日本テーマ館「センソリウム」にディレクターの一人として参加。龍村仁監督「地

球交響曲第三番」の助監督、テレビ番組「いのちの響」のディレクター、野生のシャチの生態をライブ中継するサイト

「オルカライブ」のディレクターなどを務める。宇宙からの視点でリアルタイムの地球を映し出す「アースウォッチ」の企

画を機に、ソーシャル・クリエイティブの拠点としてスペースポートを設立(2000年)。

2001年に水野誠一氏、坂本龍一氏らとともに、「エコロジーとエコノミーの共存」をテーマに社会・環境問題の関心喚起

を行う活動としてThink the Earthプロジェクトを開始。以後、写真集『百年の愚行』、書籍『1秒の世界』、『世界を変える

お金の使い方』、『気候変動+2℃』、携帯アプリ「live earth」などのプロジェクトを次々と手掛けている。

-

 きっかけはアースウォッチ

- NPO団体Think the Earthプロジェクト、株式会社スペースポートをはじめたきっかけとは?

-

Think the Earthプロジェクトはアースウォッチという製品を作ろう、というところからはじまりました。

アースウォッチには地球の北半球がそのまま文字盤に嵌っていて、実際の自転と同じように反時計まわりに24時間で

一周まわるんです。宇宙から見た地球をいつでも見ることができたら、もっと地球が身近なものになるんじゃないか、と

いう発想から生まれました。

-

1997年にプロトタイプを制作し、その後、実際の製品化に向けていろんな人にアースウォッチの話を相談しているうち

に、この企画は、ただモノを売るだけの企画ではないんじゃないか、という話になってきたんです。今までは企業は企業

の利益だけを考え、追及してきました。

しかし、ちょうどそのころアメリカやヨーロッパでBSR(Business for Social Responsibility)やCSR(Corporate Social

Responsibility)、つまり社会や環境にどれだけ企業が貢献できているかが問われる風潮が生まれ始めていたんです。

これからの時代は、社会に貢献する、ということが第一目的の企業があってもいいんじゃないか。

そんな、発想からNPO団体Think the Earthプロジェクト、そして、株式会社スペースポートが生まれたんです。

-

Think the Earthプロジェクトで環境問題や地球に対して関心を高めるプロジェクトを企画し、株式会社スペースポー

トがそれを製品化したり事業化したりする。そうして生まれた利益の一部を使ってThink the Earthプロジェクトを運営し

ていく。そういう仕組みを作ろうということになったんです。

-

 社会成熟化=何かを返すという責任

- 上田氏にとってソーシャルビジネスとは?

-

今、ビジネスをしていく上で、モノを売り続けることだけで企業の成長や利益を伸ばし続けるのは難しいと思うんです。

それくらい、社会は豊かになっていてモノであふれています。成長が至上の時代が終わり、社会が成熟に向かってい

ます。進化というよりも『深化』という言葉が相応しいように思うんです。

-

どこの企業も、これ以上モノをただ売り続けることは無理だとわかっているのに売り続けることを考えている。

だけど、それにも限界がきていて、モノを売ることだけでなく、社会へ何かを還元することまで含めた事業に変わってい

かざるを得ない。そうした企業活動全体が市場から評価される時代になっていくでしょう。ソーシャルビジネスとは無関

心に向き合うことだと思うんです。無関心に向き合ったときにはじめて社会に対して何を返せるのか、という責任が生ま

れるんだと思います。日本社会はまだまだ未熟だと思うんです。

何かを返すという責任を果たすことで社会も成熟化していくんじゃないかと思います。

-

日本のGDPは今年、世界18位になるまではずっと2位とか常に上位でした。ところが、世界幸福度ランキングでは日

本は90位とかその辺なんです。物質的豊かさとモノでは測れない豊かさとのバランスが大事なんじゃないかと思いま

す。これからは、そういう人たちが連帯し、繋がっていくことで新たな道が加速度的に広がっていくんじゃないかと思うん

です。地球温暖化などもう間に合わないんじゃないか、とも思うんですが、そこをなんとか食い止めたい。

真剣に考えれば考えるほど時間が迫っていることに気づくんです。

今はみんなが「エコ」を唱える時代になりましたが、そのなかでも常に本質的なことを考え、本当に効果のあることをも

っとスピード感をもって社会に広めていきたいです。

ソーシャルビジネスや環境問題への取り組みについては、個々で活動している人は結構いるんです。

そういう人たちが連帯し、繋がっていくことで新たな道が加速度的に広がっていくんじゃないかと思うんです。

-

 失敗の繰り返しが自己成長へ

- 若者に対して何かヒントになることはありますか?

-

失敗はいっぱいした方がいいと思う。真剣に考えた時の失敗っていうのは成功に繋がるんじゃないかと思う。

僕もThink the Earthプロジェクトを生み出す前は、何が正しいのかわからなかったし、この方法でいいのかとか、うま

くいくのかとかいろいろ考えてグラついたりもしました。でも、グラグラしながらもがむしゃらに走り抜けて、2001年に

Think the Earthプロジェクトを実際に立ち上げた瞬間、世界が変わったんです。

自分が当事者になった瞬間、グラグラしていられないぞ、と思った。子供ができたときの気持ちに似ているかな?(笑)

-

Think the Earthプロジェクトが世の中に出てからはいろんな人に批評してもらえるし、自分が当事者であるという立

場からいろんな人に出会うこともできるし、責任も生まれた。真剣に考えて、これなら絶対大丈夫だ、というところまで

詰めたあとに失敗した時って、何でなんだろう?って本気で考える。

だから、そういう時にこそ伸びるんだと思うんだ。

そうやって繰り返していくうちに成功する率も上がっていくんじゃないかと思います。

-

- 本日はお忙しい中、有難う御座いました。

-

 編集後記

-

実は社会起業プロジェクトチームSOL創設のきっかけはThink the Earthさん主催のセミナーでした。

そこで『社会起業』という新しい風を感じたことによって今の私達ができあがっています。

今地球を救うために、一人一人の幸せのために何が出来るのかを真剣に考えている大人の一人が上田壮一氏!

いつでも地球を、人を、思う気持ちを繋げていく、それがThink the Earthプロジェクト!

-

-

『Think the Earth』 URL: http://www.thinktheearth.net/jp/

『株式会社スペースポート』 URL: http://www.spaceport.co.jp/

-

このページの先頭へ