
株式会社 みやじ豚 代表取締役社長 宮治 勇輔 氏
1978年小さな養豚農家の長男としてこの世に生を受ける。2001年慶應義塾大学総合政策学部卒業後、株式
会社パソナに入社。営業・企画・新規プロジェクトの立ち上げ、大阪勤務などを経て2005年6月に退職。
実家の養豚業を継ぎ、一次産業をかっこよくて・感動があって・稼げる3K産業にする志で、2006年9月に
株式会社みやじ豚を設立し代表取締役に就任。生産は弟、自身はプロデュースを担当する兄弟の二人三脚と
独自のバーベキューマーケティングにより2年で神奈川県のトップブランドに押し上げる。2008年農林水産
大臣賞受賞。農業プロデューサーとして湘南地域の活性化を目的とするまちづくりNPOのNPO法人湘南スタ
イルの運営にも参画。茅ヶ崎市の食と農業のポータルサイト「おいしい茅ヶ崎」をプロデュースする。
みやじ豚は順調に推移するも規模拡大を良しとせず、日本の農業の現状に強い危機意識を持ち、最短最速で日
本の農業を変革するために「農家のこせがれネットワーク」を設立。新しい農業標準をつくるべく、こせがれ
を実家に帰すことと耕作放棄地を農地に戻す、REFARM(リファーム)をミッションに活動中。
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男と生まれたからには天下を取らなきゃだめだ!
- 学生時代はどういった学生だったのでしょうか?
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小学生のときから、中学・高校とすごく歴史に興味があってね、ずっと歴史小説を大量に読みあさっていたん
だ。その歴史小説から培った哲学が、大学になって花開いたみたいな感じでね。それはなにかというと「男
と生まれたからには天下を取らなきゃだめだ!」ってことなんだ。とはいえ今の時代、戦争はやっちゃだめ
だし、隣の人の畑攻め込んだら捕まるよね。笑
だから今の時代でいう一国一城の主っていったらなにかなーって考えたら、会社の社長だろうなって思って、
大学時代から起業を志すようになったんだ。そして経営学を学ぶためにSFCで一、二を争うようなエグいゼミ
に入った。でもそこで学んだおかげでディスカッションの力だとか問題解決をするプロセスなんかをしっかり
身に付けられたから非常に良かったなと思うんだ。とはいえ僕は周りに比べて特に何かが抜きんでて出来た
わけでもなかったし、自分に自信もなかったし、起業する分野も決めてなかったのでとりあえず就職しようと
思いひたすらベンチャー企業ばかりをまわって最終的にパソナに入ったんだ。
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でも実際会社に入ると朝から晩まで毎日仕事漬けなわけですよ。このままだと到底起業は出来ないなと思い
朝早くに起きてスターバックスで勉強する習慣を始めたんだ。朝5時半くらいから起きてね。これを4年と
3か月欠かさずやったね。そういう積み重ねがあるから今の自分があると思うんだ。人間っていうのはやす
きに流れる生き物でどうしても楽な方に逃げたがるけど、5年後10年後の自分を考えるとそれはすごくマイ
ナスなんだよね。今の自分っていうのは過去の自分の積み重ねで、今の自分が将来の自分を作っていく。これ
がわかっている人間とそうでない人間とでは社会に出て雲泥の差がつくんだよ。
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ターニングポイントは「この豚どこにいけば買えるんだ?」
- 事業のキッカケを教えて下さい。
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実家の農業だけは継ぎたくなかった。だから就職したんだけど、ある時、農業の本を読んでから農業にすご
く興味を持ったんだ。農業について学ぶほどにわかる農業という産業のどうしようもなさ。
実家の養豚業なんかには全く興味がなかったはずなのに、いつの頃からかどうすればうちの事業が魅力的に
変わるのかについてばかり考えるようになったんだ。そもそもは大学生の時にやって大反響だったバーベ
キューの時に友達から受けた質問が僕の人生を変えたとも言えるかも。その質問っていうのが「この豚どこ
にいけば買えるんだ?」。そんなことかってみんな思うかもしれないけど、僕はその質問に答えることが出来
なかったんだよね。これが本当にショックだったわけですよ。 こんなにみんなが絶賛してくれる豚をうちで
は育てているのにその流通についてはわからないんだと。これに気づいたことが僕の原点だよね。
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今の農業にはいろんな問題があるよね。例えば後継者不足だとか。でも僕はそれ自体は問題じゃないと思
う。後継者不足というのは農業が魅力的な産業でないから後継者がいないからで、なぜ魅力的でないかとい
うと、消費者と生産者が完全に切り離されているから。だから、どれだけいい物を生産しても評価されない
し、仕事のやりがいである顧客からの喜びの声も届かない。このことこそが一番の問題点だと思うんだ。
これを変えて、生産からお客さんの口に届けるところまでを農家が一貫してプロデュースすることが出来れば
今の農業をかっこよくて感動があって稼げる3K産業に出来る!と思い会社を辞めて実家に戻ったんだ。
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- 収益モデルを教えて下さい。
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まずは、普通の農家と同じで豚を育てて一般に出荷する。もう一つはみやじ豚としてしっかりブランディング
して、ルートを変えて直販する。豚肉の部位にもよるけどいい部位は大体5割はみやじ豚として販売している
かな。あとはバーベキューのイベントだね。
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おもしろきこともなき世をおもしろく
- 現在どういった課題をお持ちでしょうか?
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疲弊した農業の仕組みを抜本的に見直して再設計しないといけない。そのために、NPO農家のこせがれネッ
トワークを立ち上げた。ニッポン農業変革のために与えられた時間は5年だと思っている。5年で変わらな
かったらニッポンの農業は終わりだよ。だから最短最速で変える必要がある。そのために僕のたどり着いた
結論は、「都心で働く農家のこせがれが実家に戻って農業を始めること」なんだ。農家のこせがれは実家に帰
れば家賃ただ、食費もただ、とりあえず収入はなくても生きていける。そして土地はあるし技術指導は親父が
やってくれると言うことで、農業を始めるのにこんなに恵まれた環境にいる人はいないわけだよ。その農家の
こせがれ達が実家に帰る後押しをしてあげる。農家のこせがれネットワークにはすでに就農している農家が集
まり、食や農業に対して意識の高い生活者も集まっている。ネットワークを形成し、21世紀の新しい農業モ
デルを創っていこうという取り組みなんだ。
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農業というものは可能性に満ち溢れている。僕は「おもしろきこともなき世をおもしろく」という高杉晋作
の辞世の句が好きなんだ。見る人が見たらこの世の中はつまらない。お先真っ暗、絶望。でもそんな世の中
も考え方によっては自分の力で世界をどんどんおもしろいほうに変えていける。そう考えると楽しいよね。
少しでもそう思える人が増えてほしいからまずは僕自身がそういう生き方をするようにしているんだ。僕が
やっていることは農業の最先端。たぶん農業に興味がある人にとってはこれ以上に学べる環境はないんじゃ
ないかと。本当に農業の世界は面白いよ!
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今の自分があるのは頑張ってきた自分のおかげ!!
- 最後に、若者へのメッセージを頂けますか?
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今の自分が将来の自分を作るんだよね。人間ってやすきに流れる生き物だから、楽をしたいと思うこともあ
る。けど、僕の今があるのは、社会人の時に毎朝早く起きて勉強していたことに基づいているし、学生時代に
もかなり勉強が厳しいゼミに入っていたからだと思ってる。さらにそれができたのも小・中学生時代に歴史小
説を読んできたからだと思うんだよね。それを考えると、今の自分があるのは頑張ってきた自分のおかげ。
今頑張るということは将来の自分につながるし、夢をかなえることにもつながる。だから今この瞬間を全力
で頑張ってほしいと思います。
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- 本日はお忙しい中、有難う御座いました。
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編集後記
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農業ブームの最先端を走り続けている宮治氏。第一次産業に対するイメージを変えるため、日本の農業界を変
えるために、みやじ豚をプロデュースしつつ、農家のこせがれネットワークを立ち上げている。食料自給率を
上げなければいけない日本にとって、農業は確実にもっと注目されてくるはずだ。日本の農業をプロデュース
していく宮治氏から、今後も目が離せない!
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『みやじ豚.com』 URL : http://www.miyajibuta.com/
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