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高橋がなり氏
ものづくりがカッコ良いと思える社会づくり

国立ファーム 有限会社 代表取締役 高橋 がなり 氏

アダルトビデオ業界最大手の、ソフト・オン・デマンドグループを10年で100億円企業にした、「マネーの虎」でもおなじ

み、高橋がなり氏。現在は「国立ファーム有限会社」の代表取締役として、農産物の生産から流通まで一貫して行い、

「美味・安全・鮮度」のこだわりをもって農業界の発展に貢献している。

国立ファーム有限会社では、スローガンとして掲げている「農業改革」のため、農業に関連する事業を川上(生産)から

川下(販売)まで全ての工程を一貫して企業内で管理。一貫して管理することにより、生産者・流通業者・消費者の利

益バランスを調整した上で、双方にとってより良い農業ビジネスを提示しようとしている。自社生産以外にも全国の契約

農家より農作物等を仕入れ、販売も展開。将来的には全国の契約農家を結ぶ流通網を確立させ、新しいビジネスモデ

ルを展開しようとしている。

また、自社を農家(生産者)と位置付け、生産者が主導の企業経営が可能である実例を作ることにより、現在の日本の

農業の問題点である「生産者の立場の弱さ」を払拭させ、ものづくりの地位向上も目的としている。

昨年1月30日に「農家の台所くにたちファーム」をオープンした。コンセプトは、“ものづくり”という観点で農業を見直し、

まざまな野菜を紹介、野菜の奥の深さを体感してもらうレストラン。国立ファームでは、本来は魚を入れるトロ箱に野菜

を植えたまま出荷することで単価を上げる戦略をとっている。

-

 AV業界と農業界の類似性

- なぜ農業の道を選んだのですか?

-

農業界に大きな波の到来を感じたんだよね。みんなよく『自分の意思で選んだ』って勘違いするけど、自分の力なんか

たかが知れてるから。時代の波にのること、そしてその波から落ちないかが一番重要なことだね。ソフト・オン・デマンド

を立ち上げ、AV業界に参入した時は新しい映像を見たいというユーザーの流れが有ったから、それに合わせて作品を

創ることが出来た。今回もその時と一緒で、でっかい波を探してたらたまたま農業という世界があっただけだね。

その波に乗って気付いたんだけど、AV業界と農業界って商品は違えど、とてもそっくりな業界なんだよ。既得権益を

持った人々が、既得権益を守るためにやる気の有る人々の活動を阻害していて、一番えらいはずの物を創っている生

産者が儲からずに、流通を請け負っている人々だけが儲かる不公平な状態が起きている。こんな現状が有るから、プ

ライドを持って美味しい野菜を作ることが難しくなっていて、農業を目指す若い人間も少なく、深刻な人材難を抱えてい

る。

俺はその流れを変えたいと思ったから、国立ファームを立ち上げた。農業をする人はカッコいい!!と若者が思えるよ

うな、クリエイターである生産者が評価され、誇りを持って商品を作れる仕組みを創りたいね。

-

- そのためにはまずどうすればいいと思いますか?

-

今の農業界の問題点は、AV業界の時と全く一緒なんだよね。それは流通業者が力を持ちすぎて、生産者が作りたい

野菜を思うように作れないことにあると思う。例えば皆さんが普段スーパーで見る人参はコウヨウという品種です。

この品種はあまりうまくはないけど、丈夫だから水洗いの機械で多少乱暴に扱っても崩れる事はない。ベータリッチと

かひとみ五寸とか、もっと美味しい品種の人参はいっぱいあるんだけど、これは甘くてやわらかいが崩れやすい。

これって大量物流を行う流通業者からすると不都合なことなんだよね。多様の品種を管理するシステムを作るのは面

倒臭い、だから人参はコウヨウという品種にしばられているんだ。生産者側が自力で流通経路を作ろうとしても人件費

がかかってしまうから、製造よりもコストがかってしまう。だから自分達で販売までを管理する人たちはごくわずかしか

いない、結果的に流通業者のいいなりになって野菜を作る、こんな論理がまかり通ってしまっている。

安く大量に流通するのは良いことだけど、今の客が本当にそれを求めているのかという話なんだよね。今の時代は確

実に消費者のニーズが変わってきている。国立ファームは生産から販売まで全て管理する手法で消費者のニーズに

応えることで、農業流通の改革を起こしたい。他の生産者のクリエイター心を呼び覚まし、プライドを持たせることが出

来れば生産者が流通業者へ依存する型から、自立する型へ転換することになる。そうすれば流通の改革もどんどん

進んでいくことになるだろうね。

-

 作る人がカッコ良いんだよ!!

- 国立ファームを通じてどんな価値観を提示していきたいですか?

-

ものづくりをしてる人が威張れる世の中をつくりたい。そして六本木ヒルズで威張っている奴らをギャフンと言わせた

い。六本木ヒルズに住んで、なにがいいかほんとわかんないんだよ。簡単に言うと、フェラーリに乗っている人間をか

っこいいとおもうか、フェラーリを作った人をかっこいいと思うかってこと。フェラーリ作った人間はかっこいいけども、

乗ってる人間には金さえあればなれるもん。でも作るやつには金があってもなれないから悔しい。俺は人に作れないも

のを作った人がかっこいいと思うんだよなー!何でフェラーリ買って乗ってる人が威張ってるんだろうね?

ものづくりがかっこいい。そんな価値観を日本に広めていくと日本という国はもう一回いい国になるんじゃないかな。

-

- 社会貢献とビジネスのバランスについてどう思いますか?

-

企業を運営することって大きな社会貢献をしているのと同義なんだよね。なんでかって言うと運営するに当たって、多く

の税金を納めることになるから。例えば何か大きな震災が起きた時にでもしっかりと税金を納めていれば政府が自分

の代わりに現地に赴いて、社会貢献活動をしてくれる。それはきっと自分が被災地に赴くよりも効率が良い。一時期自

分の納税を考えたけど、自分は1日2000円しか食事に使っていないのに毎日20万円ほど納めている計算になっていた

ことがあるよ(笑) これは大きなプライドになったね。

-

- 高橋さんご自身の目標を教えてください。

-

死ぬまで成長し続けること。そして何か目標を持っていながら、途中で死にたいね。

檻で生かされている老人になるよりも、狩の途中でポックリ往く方が幸せなんじゃないかな。

-

- 今の若者に何かメッセージを頂けますか?

-

江戸時代の武士、商人、農民の比率みたいなものが職業では分けられなくなったけれども、武士みたいな確固たる信

念をもって生きている人間っていうのは、いつの時代も変わらずに居ると思う。最近、ニートだフリーターだと騒がれて

いるのは、昔は世間に対しての美徳があったから隠れていた人達が、堂々と「私はニートです」って平気でテレビで言

うから目立ってしまっているだけでね。

今日本はね、一番ダメになったところにあると思うのね。でも血っていうのはなかなか変わらないもので、幕末の志士

みたいに、改革はまた若者から始まるよ。だから僕なんか50代でしょ。今の20代が羨ましいもん。

君たちの代にはチャンスがある。ヒーローになれるチャンスだよ。

-

- 本日はお忙しい中、有難う御座いました。

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 編集後記

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今までの人生で農業と関わる事は、田舎の野菜作りを手伝った程度で、ニュースや新聞で食料危機や自給率の話を

傍観しているだけでした。農業業界を見ても既得権益が渦巻き、クリエイターが作りたいものを作れない現状。

この日本が抱える課題に立ち向かう高橋氏にソーシャルクリエイターの基礎を感じ取りました。それは農業だけでな

く、ものづくりに行うクリエイターがしっかりと評価され、社会(メディア)が後押しする仕組み作りが必要だと思いまし

た。皆でクリエイターをピックアップしまくる世の中へ!!

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国立ファーム有限会社 URL: http://www.kf831.com/

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