
株式会社 ジャパンエリアマネジメント 代表取締役 西本 千尋 氏
1983年埼玉県川越市生まれ。埼玉大学経済学部社会環境設計学科在学中に、㈱商店街ネットワークにイン
ターンとして参画。大学卒業後、2005年9月に㈱ジャパンエリアマネジメントを設立。地域固有の文化に根
ざす自立型まちづくりを支援。全国のまちづくり団体とともに、屋外広告によるまちづくり財源創出と景観
向上を進める「エリアマネジメント広告推進委員会」を発足。
事務局として、まちの自主ルールやビジョンの策定支援や所管官庁等とのコーディネートを担う。主な受賞歴
として、毎日新聞社主催「魅力ある街づくり感想文コンクール」にて国土交通大臣賞(2006年)、第20回人間
力大賞にて「日本青年会議所会頭特別賞」(2006年)を受賞。
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使命はまちづくりを支援する事
- ジャパンエリアマネジメントの事業内容を教えてください。
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ジャパンエリアマネジメントはまちづくりを支援する会社で、街の自主財源の創出や街自体の魅力を向上させ
るお手伝いをしています。具体的な事業としては「エリアマネジメント広告事業」というものですね。
商店街にあるビル広告や街路灯フラッグなどって、実は行政の許可を受けずに出されていたり、無秩序に貼ら
れていることが多いんです。それを大手広告代理店や行政などとタッグを組んで、街の魅力を引き上げられる
ような媒体にした上で、その売り上げがその地区のまちづくり財源としてプールされるようにし、街が抱える
課題を解決する事業を一緒に行っていくのがこの仕事の流れですね。他にも行政からの委託調査など、シンク
タンクの仕事も行っております。
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今は公道上のフラッグの提案が中心ですが、将来的には商店街の店内、店外などの民有地をまちづくりパッ
ケージとして販売したりなど、様々な形で街の魅力や財源を生み出すお手伝いをしたいですね。
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海外がダメなら国内を全部まわってみよう!
- 西本さんが大学生の頃どんな活動に取り組んでいたかを教えてください。
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大学1年生の頃は体育会系のテニスクラブやアルバイトに打ち込んでいましたね。他にも国際協力を行う学生
団体で、カンボジア支援の取組みを行っていましたが、実際に現地に行って活動を行おうとした際に、海外は
危険だからと母の猛反対にあってしまい行くことが出来なかったんですよ。
その時に断念した自分がすごく悔しくて、「海外がダメなら国内を全部まわってみよう!」と決心し、日本をま
わる旅にでる計画を立て実行に移しました。連休が続く日には青春18切符をフルに使って5日間で東北を制覇
したり、学校に行きながらも、合間があれば旅に出る毎日でとても充実していましたね。
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- 日本全国をまわる旅ですか。その時どんなことを経験し、感じましたか?
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そうですね。地方の街に関しては私が思っていた以上に衰退している街が多かった気がします。あと均一化さ
れていて特徴がない街が多かったです。東京で見慣れているようなコンビニやレストランのチェーンのお店ば
かり。せっかく地域の名物を食べたり文化を感じ取りたくて旅をしていたのに、いざ行ってみると東京と同じ
ものしか食べられない。豊かで便利かもしれないけれど、これって少し寂しいことだと思います。
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- その時の経験が今の事業に結びついているのでしょうか?
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そうだと思います。私はその旅で独自のものがある街の良さを知ることができましたし、他の街をみることで
自分が住んでいる地域のことを全く知らなかったことにも気付きました。例えば近所の神社の歴史は?
とか、地元のオススメの店は何処だろう、どんな風に作られてきたのだろうって。その際に私の住むまちをだ
れが作っているんだろうと不思議に思って、「まちづくり」「都市計画」って調べたりしていました。そんな中で
街づくり専門のコンサルティングやシンクタンクの存在も知り、そこでアルバイトをしたことや、現在社会起
業家として活動しているNPO法人フローレンスを立ち上げた駒崎さんの元で働けたことは大きかったと思い
ます。
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自分たちの力だけでもやっていけるような小さな行政体を作りたい
- それはどう大きかったのでしょうか?
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例えばコンサルの会社ですが、そこで様々な街の都市計画の立案や地域活性のためのプロジェクトが動いてい
ることを知り、「まちづくり」専門の会社って存在するんだ・・とその当時は衝撃を受けました。そこで一年ほ
ど働きましたが、行政主体で街づくりを行うのではなくて、もっと街の人の意見や想いを活かした街づくり
が出来ないかと思い、社会起業家支援をしているETICの紹介で商店街ネットワークという会社に入りまし
た。そこで今現在NPO法人フローレンスを運営している駒崎さんとの出会いがありましたが、この当時に立
ち上げのお手伝いをさせていただけたのは大きかったですね。今でこそ社会事業(ソーシャルビジネス)とし
て認められてきたモデルですが、その当時のまわりの反応はボロボロでした。「何子供みたいなきれいごと
言ってるの?」「絶対うまくいかないよ」とか。「いいねー!」って言ってくれる人は稀にいましたが、具体的な
関与はしてくれませんでした。
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そんな風に言われ続ける日々が続いたのですが、駒崎さんは何を言われても諦めなかったんですね。
賛同者探しを終えて帰ってくると、指摘された部分に赤で修正を入れて、また少し進歩した企画書を持って
出かけていくの繰り返し。トライアンドエラーの毎日でしたがそうやっているうちに、少しずつではあるけれ
ど賛同者が増えてくる、最初は平面の企画書上で描かれていただけのものが、だんだんと立体的になって現実
味を帯びてくる。この時に想いは実現するんだ、こんな若いメンバーでもやれるんだ。ってことを体感するこ
とが出来ました。
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フローレンスの立ち上げに関わりつつ、商店街ネットワークのお仕事、地域に関する勉強も並行して進めてい
ました。地域に関する本の輪読会を行いつつ、その本を書いた人には全て会いに行ったりもしました。そん
な中、補助金に頼りすぎ、自分達の街が自主財源だけではまわらない状況をどうにかしたいと思っている人々
の存在を知りました。行政に陳情してお金をもらうんじゃなくて、自分たちの街を運営するためのお金くらい
は自分たちで稼ぎたい。そんな風に思っている人々に出会う中で、私は自分たちの力だけでもやっていけるよ
うな小さな行政体を作りたいと思いましたね。行政管轄の単位で考えるのではなく、例えば“ 銀座”“表参道”の
ような地域コミュニティエリア(界隈)を単位として魅力を向上させる。これが今の事業に繋がるエリアマネ
ジメントの考え方で、商店街ネットワークでの仕事を中心に自分が行いたいエリアマネジメントを推進する事
業を作っていきました。それが株式会社ジャパンエリアマネジメントの設立に繋がっています。
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叫ぶより一歩前へ
- 社会起業家と言われることに対してどう思いますか?
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言葉を作ると、人が付いてくるしメディアも興味を持つからいいことだとは思います。その時に「社会起業家
を応援します!」とか傍から見る立場になるのではなくて、是非自分の頭で考えて自らが一歩前に動いてほし
いと思います。これは「社会を変えるんだ!」と叫んで何もしないことより、とても大事なことだと思います。
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- 西本さんご自身の今度の展望を教えてください。
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最近引越しをしたので、新しい街にコミュニティーを持ちたいですね、例えばいきつけの居酒屋さんとか。
行きつけを持っておくととても安心するし、違った角度 で街に接せますからね。居酒屋のカウンターに座っ
て、店員さんや隣の人とあったかい会話をしたい、そういう場所を持っていると豊かかなと思って。
私はそういうものを追い求めて今の仕事をしている気がします。
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- 本日はお忙しい中、有難う御座いました。
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編集後記
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SOL主催の社会起業シンポジウム『輝く女性の創り方』にもご登場頂きました西本千尋氏。
西本さんの真っ直ぐに自分の感じた疑問を追及していく姿勢に、とてもパワーを頂きました。世の中に溢れ
る問題に対して、口だけで批判するのではなく、行動で示すことの大切さを再確認しました。私達も自分の住
む街に、もっと目を向けるべきですね!
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『株式会社ジャパンエリアマネジメント』 URL : http://areamanagement.jp/
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