
HOTLIPS Pizza 共同創設者 デイビッド・ヤドキン 氏・ジーナ・エドルマン 氏
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ピザは美味しい。しかし、アメリカのポートランド発HOTLIPS Pizzaの創業者であり夫婦でもあるデイビッ
ト・ヤドキンとジーナ・エドルマンは、美味しさ以上のものをピザに与え続けている。彼らは、ピザ屋とい
うビジネスを通して、社会にSustainability(持続可能な発展)の考えを根付かせようとしている。2008年
度、アメリカで最もサステナブルな都市として注目されているポートランド(SuatainLaneのランキング参
照、http://www.sustainlane.com/us-city-rankings/)の中でも、ひと際有名なHOTLIPS Pizzaの創
業者夫婦に話を伺ってきた。
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D=デイビッド・ヤドキン J=ジーナ・エドルマン
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持続可能なビジネスの姿を提示すること
- HOTLIPS Pizzaの事業内容を説明してください。
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D:HOTLIPS Pizza は24年前にポートランドで創立してね。株式会社ではなく完全な自営業で、4つのレス
トランと120名の従業員を雇っています。私たちは、美味しい食べ物とコミュニティーの力、そして地域
で収穫されるものにとても関心をもっているんだ。恐らく、アメリカの太平洋北西部(オレゴンやワシン
トン州)は、地球上でもっとも自然に恵まれた土地の一つではないではないかな。
我々のミッションは、この恵まれた文化を保ちつつ、持続可能なビジネスの姿を地域の人々と見つけ出す
事。毎日を楽しく過ごせて、美味しいものを食べていける社会創りを目指しているよ。
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- HOTLIPS はどのようにサステナビリティーの概念を取り入れているのですか?
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D:サステナビリティー(持続可能な発展)については、様々な角度から取り組んでいるよ。HOTLIPSで は
ピザを作るために、地域で取れたもので、なおかつオーガニックの食材を使っていてね。地域の食材を
使っているため、メニューも四季折々のものができるんだ。夏の場合はトマトやトウモロコシ、それにほ
うれん草などがメインになる。冬の場合は、葉やポテト、そしてドライトマトとかだね。これらを使用す
る事で、味が新鮮で、栄養も保たれたままピザになるんだよ。地域でのお金の流通を促進できるし、地域
の農業も保つ事ができる。それだけではなくて、本来長距離の輸送等でかかるはずの石油も減らすことが
できるんだ。石油の使用を減らすことは私達にとって非常に大きな課題でね、ピザの配達には全て電気自
動車を使っているんだよ。少し特殊で外見が可愛い車なので、配達の時はみんなに注目されたりするよ。
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エネルギーの浪費も欠かせない問題だね。一つの解決策として、ピザを作るオーブンの上に、無駄な熱を
吸する仕組みをつくってね。ピザを作りながら、その一方でオーブンの熱を利用して、キッチンやランド
リー、手を洗うお湯を作り出せるんだ。これ以外にも、使う電気を白熱灯から蛍光灯に変えて、営業中で
も電気 を使う必要が無いときは、消しっぱなしにしている。これを効率的にするために、日の光を最大限
に活用する巨大な窓をつくったんだよ。これらは本当に小さい努力かもしれないけど、電気代はかつての
半分まで削減できているね。
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サステナビリティーとコミュニティー
- なにがあなたを持続可能なビジネスへと動かしたのですか?
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D:最初に興味を抱いたのは1970年頃だね。中学校の先生が地球温暖化と社会への悪影響について話し
てくれた時かな。とても驚いたのを覚えているよ。その後ずっと、なぜこの問題についてもっと多くの議
論が交わされないのか理解し難かった。それに加えて、HOTLIPS創業間もない頃の店長が癌に侵されてい
ると診断されてね。まだ26歳の若者だったんだ。そんなに若い店長が癌にかかった事に相当落ち込んだ
よ。その癌が引き起こされた理由に、環境的な要素があげられていてね。私自身、どうにかしたいと思っ
ていたんだ。
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それと同時期くらいに、私たちはピザという競争が激化してきたマーケットで独自の戦略を打ち出さねば
いけなかった。だからね、僕は妻と一緒に、ピザというビジネスになにを求めるか、そして何が私たちに
とって重要かを考えたんだ。そこで行き着いた答えが、サステナビリティーとコミュニティーでね。
こういった経緯で、サステナブル・ビジネスを実際に取り組み始めたんだ。
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- サステナビリティーの概念は、ビジネスと反対にある気がします。これについては、どう考えていますか?
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D:まず概念としては、サステナビリティー(持続可能な発展)と環境に優しい状態をわけなければいけな
い。環境に優しい事は、サステナビリティーへ向かう第一歩なんだ。ここではっきりさせておきたいの
は、私はHOTLIPSを『サステナビリティーを追求する、環境に優しい企業』と考えていてね。だからサス
テナビリティーを達成しているわけでは全くないんだ。生涯を掛けて追求していかねばならないと思って
いる。
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ビジネスに関して言うと、私たちは家族経営という利点がある。なぜこれが重要かというと、かなりの長
期的視点で経営に取り組めるからだよ。特に上場をしているところに関してだけど、株式会社は株主にリ
ターンを定期的に与えなければいけないよね。これでは、サステナビリティーに向かうことは非常に難し
いと思う。環境に優しいだけならまだ可能だ。でもサステナビリティーへ向かうことは、非常に長期的な
事なので、今の世の中では株式会社にとって難しいと思う。
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幸せをしっかりと感じることの出来る心の余裕も持つこと
- 今後のビジョンを教えてください。
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J:私は、世界をもっとよくしてかなきゃいけないと思うの。アメリカに限らず世界中で、たくさんの暴力的
な事件や狂気が溢れているしね。私たちには、誰にも傷をつけることなく、もっとポジティブで人を癒せ
る力があることを自覚しなくきゃいけない。私たちが普段食べるものでさえも、その考えは通ずると思う
の。もっと一人一人が自分の頭で考えて、賢くなるのも重要で、世界で何が起こっているのかを知る必要
がある。幸せをしっかりと感じることの出来る心の余裕も持つことも大事ね。
私たちは今言ったような事が実現されるように、ビジネスを通してずっと努力していくわ。
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- デイビットも全く同じですか?
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D:もちろん。私たちは彼女がいったような仕事場を創っていかないといけないんだ。それを楽しみながら続
けてきているし、職場に来るのが毎日楽しみで仕方ないんだよ。
自分達の人生にとって、このビジネスを続けることがいい事だと思ってるし、このビジネスに関われる事
が非常に幸せだね。
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その地域の食べ物を食べれることは、とてもいいこと
- 事業を拡大するプランはありますか?
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D:それはとても難しい質問だね。特に私たちのような地域密着型のビジネスモデルにとっては。もし違う地
域にいったとすると、また新しいキッチンを作らなくちゃいけないし、農家の方との関係も一から構築し
なくてはいけない。そしてキッチンの周りに、それを販売するお店がなければいけない。ちょっと個人的
な話をすれば、僕はフランチャイズのシステムが好きではないんだ。というのも、フランチャイズ店にと
って有益な契約を今まで見たことがなくてね。もう一点言わせてもらうと、僕の関心は、やっぱり僕のコ
ミュニティー(ポートランド)なんだ。僕がしたいのは、他のどこかで誰かがHOTLIPSと同じような事を
するために、情報提供したりインスピレーションを与えることでしかないんだ。
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ただ一方で、収益的な問題点もあるのも事実だ。例えば現在、HOTLIPS sodaというものを作っていて、
初期投資に何千万と使ってしまった。つまりここで出てくる疑問が、初期投資に見合う分だけのsodaを売
る為シアトルかカリフォルニアに送らねばいけないのか。もしくは、ニューヨークかロンドン・東京か。
規模の問題はとても難しいんだ。その質問に今答えることは、少し難しいね。僕らは新しい試みをしてい
るから、どこで線引きをすればいいかいつも手探りなんだ。それでもまぁ、東京でHOTLIPSを見ることは
ないだろうね(笑)。あんまりこのビジネスを大きくしたくないし、規模を求めて経営しているわけではな
いからね。に、ポートランドだけで可能なのかという点だ。
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- では、日本人はHOTLIPS sodaのために、ポートランドまで来なければいけませんね(笑)
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D:だからこそ、ポートランドが特別なところになると思うんだよね。今までに、『HOTLIPS Pizzaが今まで
食べた中で最高のピザだ』と言ってくれる人々に出会ってきた。でもある人は、『New York Pizza の方
が美味しい。New York Pizza のように作るべきだ』と言ったよ。僕の考えはというと、もしNew Yorkに
行ったなら、New York Pizzaが食べれるよね。東京に行ったなら、Tokyo Pizzaが食べれるんだ。これが
人生を面白くしていると思う。HOTLIPS Pizzaを 東京では売りたくないな。そこには興味がない。僕にと
ってもっと面白いのは、東京にいる誰かがいい仕事をして、美味しいピザを作ることだ。だからね、僕の
考えとしては、東京のピザは東京のピザ、ニューヨークのピザはニューヨークのピザ、僕たちのピザはポ
ートランドのピザなんだ。ポートランドに来たときは、HOTLIPS Pizzaが食べれる。繰り返し言うけど、
これが人生を面白くしてるんじゃないかな。その地域の食べ物を食べれることは、とてもいい事だよ。
世界中にあるチェーン店では、全部同じ味がするものだよ。僕はこれでは面白くないと思うな。
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これが唯一の選択肢
- サステナビリティーを目指す流れは、今後もっと増えてくると思いますか?
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D:増えてこなければならない。これが唯一の選択肢だから。僕たちは、使える資源に限界があることを自覚
しなければいけないんだ。水や石油、空気や大地で色々な問題が溢れているよね。資源がどんどん減って
いく中で、人口は世界的に上昇を続けている。資源への需要と、実際の資源の残量が交わったとき、とて
つもなく大きな問題になってくる。個人的には、かなり近くまで来ていると思うけどね。水や食べ物、
石油をめぐって戦争が起こるかもしれない。だからこそ、今すぐに対処しなければいけない問題なんだ。
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- 若者へメッセージをいただけますか?
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D:テレビを壊すんだ!笑
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J:実体験を忘れないでほしいわ。私たちの子供も、常にパソコンの前にいるしね。おいしい食べ物を食べ
て、友達と一緒に遊びに行ってほしい。そして世界に注意を向けて、興味を抱いて欲しい。もし若い人た
ちが世界に対して興味を抱けなければ、私たちは地球を失ってしまうかもしれないのだから。
石油をめぐって戦争が起こるかもしれない。
だからこそ、今すぐに対処しなければいけない問題なんだと思うわ。
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- 本日はお忙しい中、有難う御座いました。
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編集後記
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今回のインタビューは海外特別編の第一弾です!去年僕が行っていたアメリカ留学の時に決行したもので、
本当に沢山の方々に助けられて実現する事ができました。たまたま留学先だったポートランドが全米no.1の
sustainable cityだとは留学するまで知りませんでしたが。(笑)
東洋から来た謎の日本人のインタビューを快く受けて下さった、DavidとJeanaには心から感謝します。
そしてこの場をお借りして、インタビュー企業を一緒に探してくれた留学先の国際センタースタッフのJoan
と、一緒にインタビューをしてくれた香港からの留学生Martinにもお礼を述べさせて下さい。
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第二弾の海外編もお楽しみに! 平井駿太郎&Martin Lui
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『HOTLIPS Pizza』 URL: http://www.hotlipspizza.com/
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