
NPO法人 創造支援工房フェイス 代表理事 池本 修悟 氏
1978年8月31日生まれ、大阪府豊中市出身。
慶應義塾大学在学中にヴィジョナリー教育を推進するNPO法人「FACE」を立ち上げる。
メディアプロデューサースクール「IMAGE」の設立や、「メディア寺子屋」、「東京おもひでカレンダー」の制作などクリエ
イティブな発想でよりよい教育を目指すソーシャルプロデューサー。
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第4の権力 「メディア」
- FACEを始めた時期と理由をおしえてください。
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SFC(慶應湘南藤沢キャンパス)の4年生の時にFACEを立ち上げました。
当時環境情報学部の助教授だった鈴木寛先生(現・参議院議員)のゼミ(通称ベル研)に所属し、情報社会論やメディ
ア論を学んでいました。鈴木先生はただ単にメディアの実情を理解するだけでなく、批判的にメディアを読み解き、どう
やって世の中に対してプロデュースを行ない、世の中を良くしていくのかという「ソーシャルプロデュース論」を提唱され
ていました。
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具体的にベル研メンバーは100年に一度の世紀越えイベントの企画やカフェをメディアと捉えて地域や商店街を元気に
するイベントなどをプロデュースしていました。その中で、僕は、社会をプロデュースしているものの1つとして、第4の権
力といわれている「メディア」について考えたいと思いました。
なぜかというと、メディアは僕らにものすごく影響を与えているにもかかわらず「テレビってどういう風に作っている
の?」と聞かれてもうまく答えれない。要はブラックボックス化しているわけ。
だからメディアリテラシーを身に付ける必要性を感じ、メディアをきちっと学べるような場がつくれたらいいなぁと思い
FACEを立ち上げました。
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メディアを作り、そして理解へ
- そこからどうI-MAGEへと発展していったのですか?
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FACEでは、まず2000年から「メディア寺子屋」というマスメディアの最前線で活躍する方々にお話いただく講演会を立
ち上げました。その場自体は、知らないことを学べるわけで、毎回刺激的だったのですが、ただ、話を聴いているだけ
では、知ってるつもりになって終わってしまうところがあります。
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だからメディアリテラシーを身に付ける方法として、メディアを自分で作り、メディアを作る側の気持ちを理解する。
そうしてメディアリテラシーを高めようと考え、メディア寺子屋の発展系を2001年秋から模索しはじめ、2002年4月にスタ
ートすることになりました。それが「I-MAGE」です。I-MAGEは毎年1回くらいのペースでコンスタントに半年間くらいか
けてやっています。代表・リーダーは基本学生で、その時々によって変わるので毎回カラーが全く異なります。
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初期のI-MAGEでは既存のマスメディアにインターネットがどのように融合するかがテーマでした。
実際にテレビ局や雑誌へ企画を持込もうとしたのですがなかなか難しく、企画づくりや企画提案、プロトタイプ作りで
終わっていました。
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前々回のI-MAGEから実際に世の中にアプローチしていこうと考え、第5回は同時多発テロがあった9月11日にニュー
ヨークと丸の内・大手町を繋ぐ壁のないビジョンを作ろうということで、「ノーウォールビジョン」という等身大のスクリーン
を大手町に置きました。
さすがに厳戒態勢のグラウンドゼロにはスクリーンを立てられなかったけど、無線LANとウェブカムでグランドゼロをラ
イブ中継しました。
ゲリラ的にやったので、警察がどんどん集まってくるし(笑)、電源も確保しなきゃいけなくて、大変だけど面白かった。
しかし、外国のメディアにも取材されたけど、学生が連絡先を聞かなかったので掲載されたどうかすらもわかりません
でした(涙)。
この作品はI-MAGE終了後も継続的に活動を続けて、国連の学生コンペに応募したところ世界第4位に選ばれました。
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I-MAGEの中身についてですが、グループワークにおいては社会に出て3,4年目の広告関係や各種メディア関係の
人にアドバイザーになってもらっています。
その狙いの一つは、実際にメディアづくりを行っている人からリアリティのある話しを聞くことはとっても学生にとって参
考になる。その次に、少しだけ上の人だと「同じ世代じゃないか」って思えるし、自分だって出来ると思える。
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僕の周りには、少し年上のネットベンチャーで活躍している人が多かったのですが、IMAGEと方向は違うけど、エネル
ギッシュで、無茶なとこを踏み越えていくパワフルさっていうのは本当にすごかったし刺激になったので、それと同じよ
うに少し年上の先輩にアドバイザーになってもらうことによって彼らが社会人になって「自分でも出来るんだ」と感じた
経験を伝えてもらいたいですね。
本とか映画から僕らは感動するけど人からの影響ってもっとすごいと思います。
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- 池本さんにとってメディアとはどういうものですか?
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色んな解釈がありますが、結局人に影響を与えるものと考えています。テレビや雑誌は勿論ですが、そもそも人や服
装さえもメディアだったりする。
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日常に感動し、感謝できる自分でありたい
- 「東京おもひでカレンダー」というメディアを作られたきっかけは?
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表参道が大きく変わった東京オリンピックの頃、1964年の365日の思い出を集めて「おもひでカレンダー」という思い出
のアーカイブを作っています。元々は2002年から広島の尾道市で「どこでも博物館」というシステムの立ち上げに関わ
った際に、「この坂綺麗だな」って思っていると、町のガイドのおじさんが「実はここは、志賀直哉の『暗夜行路』で主人
公が道に迷った場所なんだよ。志賀直哉はいつもここを歩いていたんだよ」といわれたんです。
そういう風景に付随して物語を聞くと感動が増す体験をしました。想像力が増すんです。
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何も歴史を知らないで石段歩いてるのと昔に想いを馳せながら石段を歩くのって違うでしょ。
でもそういう場所の物語って尾道じゃなくてもどこにでもあるわけ。
実はこの部屋だって昔はタワーレコードが入っていたビルなんだって(笑)。
知るとちょっと同じ場所が違って見えません?
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歴史を知ることは本当に大切で、今の時代を生きる僕達って当たり前のことに対して鈍感すぎるじゃない。
蛇口をひねって水が出るのは当たり前、ビルに入るとクーラーが聞いているのが当たり前、とかね。
でも、それは当たり前ではなく、いろいろな知恵があり見えない物語があるわけで、そういう当たり前のことに感動でき
たり感謝することを伝えていきたいね。昔はこんなものあったんだなとかこんな遊びしてたんだなとかをおもしろく伝え
ていかないと文化なんてあっという間に途切れちゃうからね。
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本気で学べる環境創り
- 夢と今後の方向性を教えてください。
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これまでにない学生教員参加型の大学をつくりたいとおもっています。
現存する大学のシステムではなくて、中世のボローニャ大学のような。
今は偉い先生がいて、そこに学生が集まってくるかたちだよね?
そうじゃなくて学びたい奴がいて、そこにプロフェッショナルの先生を呼んでくる。
本気で学びたいという熱意がある生徒が学ぶ環境をつくっていくとよりよく学べるんだよ。
そんな新しい学びの共同体をつくりたいですね。
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- 若者へのメッセージをどうぞ。
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高校時代に涙流しながら頑張った部活のような体験を大人になってもしてほしい。
今は、ダサいと思うかもしれないが、そんな大人になれたら素敵だと思うよ。
座右の銘は「本物は続く、続ければ本物になる」です。
FACEってまだまだ未完成なんだけど、続けることで更に成長していきます。
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- 本日はお忙しい中、有難う御座いました。
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編集後記
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取材を通じて、感性が豊かな人という印象を受けました。大学教育が疑問視され始めている現代。
「学ぶ環境とは自分で作るものだ。」池本さんからはそんな熱い意志を感じました。
メディアに踊らされそう?メディアを作って踊ろう。
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『NPO法人創造支援工房フェイス』 URL: http://www.iface.ne.jp/
『I-MAGE』 URL: http://www.iface.ne.jp/i-mage/
『東京おもひでカレンダー』 URL: http://www.iface.ne.jp/calendar/
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